ハッカQ&A

ハッカ(薄荷)とは何ですか?

いわゆる「ミント」のことで、ペパーミント・スペアミントなどを「洋種薄荷」、それに対し、メントール量が多いもの(およそ65%以上)を「和種薄荷」と呼んで分けています。

和種薄荷はメントール含有量が多いので、10℃以下ではメントールが結晶化してオイルが固まったようになります。この性質はメントール含有量の少ないペパーミントなどの洋種薄荷にはないものです。固まったオイルを遠心分離にかけることによってメントール結晶を容易に取り出すことができるため、日本で薄荷産業が伸びていったわけです。

薄荷(和薄荷)にはどんな種類があるのですか?

和薄荷は、歴史的観点から大きく2種類に分かれます。

1.暖地系薄荷 これは岡山をはじめとする関西・中国地方で栽培された品種で、さんび・はくび・りょくび・しゅうびといった種類があります。

2.寒地系薄荷 これは道東地方で栽培された品種で、あかまる・まんよう・さやかぜ・ほくとなどがあります。

現在、薄荷はほとんど栽培されていないので、どちらも薄荷産業の歴史を刻んで今は休眠中に近いイメージとなっています。暖地系ではしゅうび(1970年に登場)、寒地系ではほくと(1982年に登場)が実質的に最後の品種となっているようです。

3.その他に、滝上町で栽培され、「ほくと」より高価で売られている「北海JM23号」という品種があります。これはペパーミントと和種薄荷をかけ合わせた、どちらかといえばペパーミントに近い品種で、脳分(メントール含有量)が高いので和種薄荷に分類されているというところがあるようです。


和種薄荷の特徴は、なんでしょう?

ペパーミント等にない、和種薄荷の最大の特徴は、水蒸気蒸留によって得られるエッセンシャルオイル(取卸油と言います)の成分にあります。

実は、オイルに溶け込んでいるメントール(メントールは固体で、これを脳分という)が、オイル全体の65%(重量比)以上も含まれています(含有量がこれより高いものを、和種薄荷と分類することになっているそうです)。メントール分の方が液体成分より遥かに多いんですね。

従って、取卸油を冷蔵庫に入れておくだけで、オイルは固まってしまいます。