6月12日 西宮市訪問
関西訪問最終日は、兵庫県西宮市。
ここには、あれが、ある!
阪神甲子園球場だ!(笑)
さて、訪問するのは、『長岡実業株式会社』。
ここは、北見地方に仲買人を送って買い付ける商社として、日本の薄荷産業の一翼を担っていた大手。
現在は、海外からドラム缶単位で取卸油を輸入して精製・販売している。
約束の午後1時の少し前、バス停を降りて会社の方へ歩いていくと、ほのかな薄荷の香りがしてきた。
うん、ここだ!
建物内も薄荷の香りで一杯。
メールで丁寧にご対応いただいていた技術部の川崎部長の出迎えを受けて通された部屋には、なんと、既にスクリーンとプロジェクタが設置されてる!
恐縮しながら技術部の多田様によるご説明を受け、その後、工場を見学させてくれました。
撮影できないので写真はないのですが、まず、目を開けられないくらいメントールの刺激が。
簡単に工程を書いてみると、、、
- ドラム缶ごと冷却する。
- ドラム缶から内容物を遠心機に移し、遠心分離。
- 粗結晶(粗脳)は小さめの缶に移し、30℃代に温めてから、ゆっくり(たしか2週間くらい)かけて徐々に冷却していく。
- オイルは再蒸留で精製する。ここでは、減圧蒸留しているのだそうですが、長岡実業さまには通常の水蒸気蒸留の装置もあって、用途(コストと品質)によって使い分けているのだそうです。
この工程を全て拝見させていただきました。
多田さん、何でもご存じなので、いろいろ話を聞いちゃいましたが、蒸留すると出てくる「草の匂い」は、何度蒸留しても出てくるのだそうで、しかもガスクロマトグラフィにかけても出てこないようなトレースのものらしい。
見学を終えて部屋に戻ると、な、なんと! 長岡良輔社長が!
社長直々に、薄荷産業の現状と将来についてお話をいただきました。
長岡社長は、日本はっか工業組合の理事長もされている。なので、企業の立場だけじゃなく、日本の工業という視点でもとても幅広くご覧になっていらっしゃるので、私の知りたいことが全て聞けて、本当に嬉しかったです。
午後1時からたくさんお話を聞いた中で印象に残ったのは、まずひとつめとして、現在の薄荷生産地。戦後のブラジルから中国へ替わり、今はインド。米・麦の二毛作の休耕期間を利用して薄荷を植えているのだそうです。
また、アメリカ合衆国のペパーミント農場とインドの薄荷農家の比較など、大変興味深いお話。
そして長岡社長からものすごく貴重なお話の数々。特に、薄荷産業の抱える現状の問題点として(1)種苗、(2)後継者、(3)商業化、これらについてすごくよくイメージできました。
また、貴重な資料をたくさん頂いて恐縮な中、こんなおみやげまで、、、
長岡実業様の、薄荷脳。
本当に手厚く迎え、見送っていただきまして、ありがとうございました。
そして帰りはポートライナーで神戸空港へ。
神戸空港には、虹がかかっていました。
収穫たっぷりの3日間。
帰札して、さっそく7月の化学実験の授業でこのあたりの少し詳しい話を学生のみなさんに聴いてもらいました。
北見薄荷の将来について、いろんな角度で考えてみられるようになったことに対し、岡山・西宮の皆様に心より感謝して、この記事はここで筆を置きます(って、PCキーボードだがw)。